NTTドコモビジネス株式会社(旧 NTTコミュニケーションズ株式会社、以下 NTTドコモビジネス)は、デロイト トーマツ グループの合同会社デロイト トーマツ(以下 デロイト トーマツ)、ユニ・チャーム株式会社(以下 ユニ・チャーム)と共同で、経済産業省が主導する「GXリーグ」※1の枠組みにおける「中間排出事業者を通じたグリーン市場創造検討ワーキング・グループ(以下「本WG」)」※2にて、最終成果物を公表しました。
1.成果物の概要
本WGは、官民連携の枠組みのもと、非耐久消費財企業※3のなかでも特に消費者に最も近い日用品・食品分野である中間排出事業者※4を中心に、異業種横断でグリーン市場創造を討議する場として形成された日本で初めての取組です。ユニ・チャームが発起人として代表幹事を務め、多様な業種の企業が参画した上で、GX製品・サービスが市場で選択されるための条件について体系的な整理を進めてきました。
これまでGX推進に関する議論はCO2多排出産業やエネルギー業界を中心に進められてきましたが、本WGでは、消費者に最も近い立場である中間排出事業者が中心となり、CO2排出量低減等の環境価値の紐づく製品(グリーン製品)が消費者に選択される市場(グリーン市場)をどのように形成できるかという観点から、「新規市場の成立」を主題に据えて検討を行った点が特徴です。
続きを読む
本WGでは、グリーン市場創出に向け、消費者への訴求の難易度が高い、非耐久消費財を例に、グリーン製品の定義から消費者の購買行動の傾向、バリューチェーン構造※5を踏まえた課題までを網羅的に整理しました。その結果、非耐久消費財に関する市場において、個社努力のみではグリーン市場創出が構造的に困難であることを明確に示した点が最大の特徴となります。
今回公表した成果物では、以下を整理しています。
グリーン製品及びグリーン市場の定義
■企業努力によって、製品及びサービスのカーボンフットプリント※6低減や、削減実績量・削減貢献量の創出につながる製品を「グリーン製品(サービスを含む)」と定義しました。
■企業努力によって生まれた環境価値が社会全体で評価され、グリーン製品の持続的供給が可能となる状態を「グリーン市場」と定義しました。
続きを読む
グリーン市場創造に向けた市場の構造的課題
■グリーン市場が顕在化しない背景に、消費者行動と供給構造の双方に課題が存在することを明らかにしました。消費者側では、環境価値に対する価格プレミアム※7を支払う層は限定的であり、環境価値単独では購買決定に至らない傾向を確認しました。
■一方、中間排出事業者を含む供給側では、「製品価値と環境価値の両立」や「コスト低減と環境価値向上の両立」に向けて、競争環境下で個社が実行可能な取組が既に進展しており、取り得る打ち手は概ね講じられている状況にあります。それにもかかわらず、消費者が積極的に選択する水準の環境価値を創出することには限界があることを明らかにしました。
■また、GHG(温室効果ガス)排出量算定および削減取組においては、製品バリエーションが多くサプライチェーンが複雑であることから、統合的なデータ管理やデータ流通の難度が高いという課題を確認しました。サプライチェーン上で流通するデータ項目の標準化は十分に進んでおらず、相互運用性や秘匿性を担保した仕組みも確立されていません。さらに、規制動向の変化に応じて柔軟に対応できる枠組みも未整備です。
以上より、これまでの個社の取組を前提としつつも、グリーン市場の創造には、企業間連携にとどまらず、制度設計等を含む多層的な対応が必要であることが明らかとなりました。
続きを読む
導き出された方向性:グリーン市場を顕在化させるための対応策
上記の整理を踏まえ、本WGでは次の結論に至りました。
■グリーン市場創造は、企業単位の努力のみでは成立しない
■バリューチェーン全体での役割分担とコスト負担の再設計が必要
■政府・業界団体等との制度的連携が不可欠
本WGでは、最終製品を担う中間排出事業者が中心となり課題を整理したことにより、非耐久消費財における消費者の需要創出等課題に対する対応策に関し、個社による打ち手が限られており、バリューチェーン内外での連携が必要不可欠であることが明らかになりました。
本成果物はGXリーグのHPにて掲載されております。
・WG成果物:
https://gx-league.go.jp/aboutgxleague/document/wg_visionpaper_202603 ・SWG成果物:
https://gx-league.go.jp/aboutgxleague/document/swg_data_teigen_202603 ・SWG参考資料(Excel):
https://gx-league.go.jp/aboutgxleague/document/swg_appendix_data_202603
続きを読む
2.今後の展開
本WGは、本成果をもとに、中間排出事業者を軸として、市場における重要なステークホルダーである他の事業者を巻き込みながら、グリーン市場創出に向けた対応策の優先度の検討や社会実装に向けた詳細検討を進めていきます。
また、NTTドコモビジネスは、本WGで明らかとなった課題を踏まえ、中間排出事業者のサプライチェーンにおけるGHG排出量算定や削減に関わるデータの管理・流通に関して、相互運用性や秘匿性を担保したデータ連携の在り方について検討を進めていきます。
「NTTコミュニケーションズ株式会社」は2025年7月1日に社名を「NTTドコモビジネス株式会社」に変更しました。私たちは、企業と地域が持続的に成長できる自律・分散・協調型社会を支える「産業・地域DXのプラットフォーマー」として、新たな価値を生み出し、豊かな社会の実現をめざします。
https://www.ntt.com/about-us/nttdocomobusiness.html
続きを読む
※1:GXリーグとは、2050年カーボンニュートラル実現を目指し、脱炭素への挑戦を行う企業が官・学・金と協働して新たな市場ルールやビジネスチャンスを創出する場となります。GXリーグや本WG設立の背景等の詳細については、2025年7月16日の報道発表をご確認ください。
https://www.ntt.com/about-us/press-releases/news/article/2025/0716.html ※2:中間排出事業者を通じたグリーン市場創造検討ワーキング・グループとは、経済産業省が主導する「GXリーグ」の枠組みにおいて、脱炭素社会の実現と持続可能な経済活動の両立をめざす新たなワーキング・グループを指します。
※3:非耐久消費財企業とは、食品や日用品等の短期間で消費される製品を取り扱う企業を指します。
※4:中間排出事業者とは、消費者の手元に届く最終製品の製造・加工・販売等を担う事業者のこと。本WGでは消費者向けの最終製品を製造・供給する企業が主な対象となります。
※5:バリューチェーン構造とは、製品・サービスにおける、原材料調達から製造・流通・販売等を通じ消費者に届けられるまでの一連の事業活動の繋がりを指します。
※6:カーボンフットプリントとは、製品・サービスの原材料調達から廃棄、リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通した温室効果ガス排出量を、CO2排出量として換算した値のことを指します。
※7:価格プレミアムとは、消費者が特定のブランドや製品に対して競合他社製品よりも高い金額を支払ってもよいと考える「追加的な価値」のことを指します。
詳細はこちらプレスリリース提供元:@Press
記事一覧に戻る